ゲーマー(職4)

要点・能力
L:ゲーマー = {
 t:名称 = ゲーマー(職業4)
 t:要点 = 手から火,跳躍中,帽子
 t:周辺環境 = ゲームセンター
 t:評価 = 体格1,筋力1,耐久力1,外見0,敏捷2,器用5,感覚2,知識4,幸運0
 t:特殊 = {
  *ゲーマーの職業4カテゴリ = ,,,派生職業4アイドレス。
  *ゲーマーの特殊補正 = ,,条件発動,(AR7以下の場合)全能力、評価+2。
  *ゲーマーの学習補正 = ,,条件発動,(そのゲーム内の同じ行為を行う場合)全判定、評価+2。この修正は重複しない。
 }
 t:→次のアイドレス = ハイゲーマー(職業),風野(ACE),高位精霊使い(職業),精霊戦士(職業)

設定文
この国には、ゲーマーと呼ばれる人々がいる。

ゲームあるところにゲーマーありと言われ、主催者が犬だろうと猫だろうと藩国イベントには顔を出し、休日にもゲーム、平日にもゲーム、仕事せずゲーム、冠婚葬祭にもゲームなロクデナシであるとされている。
普段の彼らはゲームセンターでハイスコアを更新し、対戦連勝記録を伸ばし続けているだけの、自称暇人である。働いて欲しい。

だが、世界の危機が迫るとき。闇が人の心を覆うとき。
ゲーマーのキャップの下の瞳が光を放つ。何の説明もなく手に炎を纏い、彼らはゲームを開始する。

重力を無視したかのような跳躍から、あらゆる障害をぶち砕いて。
常軌を逸した動体視力と反射神経で、圧倒的な弾幕を回避する。

彼らの指は超絶高速にして究極精密。あらゆるI=Dが、航空機が、そのスペックを凌駕した性能を発揮する。
電光のように貫き、風のように舞い上がる。総じて、ゲーマーは嵐を起こす人々であった。

ゲーマーは、負けない。
ただ負けず嫌いなだけとも言う。
1回負ければ、10回勝つ。100回負ければ、1000回勝って取り返すのがゲーマーなのだ。

ゲーマーは、あきらめない。
あきらめの悪さは、どこの誰にも負けはしない。
どんなに時間が足りず、状況が絶望的で、評価値がかけ離れているとしても。全部ひっくり返して大逆転がゲーマーの喜びで、その全てなのだ。

そして、ゲーマーは、願っている。
いつかはゲームが現実に勝利し、この世の不幸と不条理を、ただの希望が叩き潰す日が来ることを。

だから、ゲーマーは戦うのだ。
いつかきっと、ゲーマーがゲームだけやってればいい日の為に。

/*/

駆ける。
ひたすら駆ける。
周囲に味方はなく、あるのは絶望的なまでの敵の群。
状況を打開できるだけの策も力も無い。
心が折れてしまってもおかしくはない状況。
だが、彼の心は折れていなかった。


――目の前に敵が群がる。
吐き出す弾が弾幕となって辺りを埋め尽くす。
それらを見切り、針のように小さな安全地帯を移動していく。
糸のように細い、綱渡り。


策も力も無くとも、彼には想いがあった。
彼の武器はただ一つ。その胸に宿した、希望という名の想いのみ。
とても小さく、簡単に消えてしまうのに、必ず蘇る永遠に消せぬ炎。
現実で言えば一笑に付されるような存在。
だが、ここはアイドレス。
想いは届き、想いは現実になるのだ。


――特殊攻撃選択。“付与(火)”。
想いは、炎の形を取って、顕現する。
その拳を、その脚を、その全身を炎が覆う。
迫り来る敵を蹴散らして駆ける。


いくつもの闇を越えてきた。
 いくつもの悲しみを見てきた。
いくつもの苦しみを経てきた。
目指す先に、最高の結末はないのかもしれない。
だが、彼は駆けるのを止めない。
それが、彼の意思だから。


――特殊攻撃選択。“火の珠”。
彼の手に、いくつもの炎が生まれる。
投擲。着弾。爆発。
火の珠が作った爆風を利用して大跳躍。


視界の端に助けるべき存在が、見えた。
それは小さな子供。奪われようとする未来。
既に全てを断ち切る一撃は振り上げられ、あとはそれを刈り取るのみ。
現実世界では、ありふれた光景かもしれない。
例えそれが、仮想現実だろうと彼はそれが許せなかった。
否、仮想現実であるからこそ、彼はそれが許せなかった。


――特殊攻撃選択。“炎の壁”。
指先から放たれた炎は、壁を生み出し子供を護る。
子供は目を見開いて空を仰ぐ。
着地。炎の残滓を撒き散らしながら立ち上がる。


あなたはだれ? 子供がそう問いかける。
彼はその問いに苦笑する。
彼は、現実ではダメ人間で通るくらいの一介のゲーマーに過ぎない。
対価も何も無く、ただひたすら一つの事柄に熱中している存在。
だが、それ故に誰よりも挑戦し、それでも足りずに足掻き続けるもの。
いくつもの悲劇を殺しつくす、仮想世界の規格外。


――咆哮が聞こえる。
 見れば、遠くに巨大な影。
全ての希望を刈り取る、巨大な闇。
それを見て、彼は笑った。


お兄さん。ありがとう。 子供がそう呟く。
彼は微笑むと、被っていた帽子を子供に被せる。
飽きる事無く世界を渡り、その危機を尽く叩き潰してきた。
いまだ終わりは見えないが、それでも構わない。
それが世間に認められなかろうが、それでも構わない。
なぜなら、彼は今、対価を得たから。


――必殺攻撃選択。“火の国の宝剣”
手から生まれた炎が、剣となって顕現する。
それは、本物ではないけれど、信じる限りは紛う事無き本物。
蒼く輝きだした瞳で敵を睨み、一呼吸おいて腕を一閃させる。

視界が白く染まり、意識が溶けていく……



街角のゲームセンターから外に出る。
眩しい日差しに、彼は手にした帽子を被りなおす。
ふと、帽子を渡した子供の事を思い出して笑みを浮かべる。
埒もない思考が頭を過ぎる。
自分が知る走り続ける少年達と、何度敗北しても足掻き続けるアイドレスプレイヤー達とどこが違うのだろう。
そして、諦める事無く挑み続けるゲーマー達の差はどこなのだろうかと。
彼はそんな分かりきった思考に苦笑する。

信じ続ける限り、走り続ける少年達とアイドレスプレイヤー達は同じである。
……そして、アイドレスプレイヤー達は、皆ゲーマーである。

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